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未知の奥から歌がうまれて ~その一~

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対談バナー14新
その一
秋田に生まれて


村  デビューなさってあと2年で…

因幡 はい、40周年目。

村  今度の10月8日のコンサートは2年後に向けてのサブタイトル?

因幡 そうですね。そういう意味あいですね。

村  お生まれは秋田なんですね。

因幡 そうです、秋田県の大館市。北部ですね、青森に近い方。

村  今、秋田県の観光大使をなさってますね。

因幡 そうなんですよ。

村  それはまたどういういきさつで?

因幡 たまたまコンサートでもよく故郷の話はしますし、心の中でも故郷
   への感謝の気持ちは大きいですから、それが伝わっていって全国的
   にコンサートもやったりとか広めるには好都合といった存在に思え
   たんじゃないでしょうか(笑)

村  なるほどね。「わかって下さい」という曲は何才くらいに?

因幡 あれが♪私のはたちの♪ですから、まさにはたちの時ですね。

村  はたちの時におつくりになった!そうなんですか。
   それから何か一貫して女性の心のような唄がたいへん多いような気
   がするんですが。

因幡 うん、自然的に女性のことばだったりとか、どちらかといったら悲
   しみの色合いが多い楽曲が多いですね。

村  その辺が僕は非常に因幡さんの歌に惹かれるところなんですけれど。
   私たちの日本舞踊の歌詞っていうのは、女性の心を歌った曲が多い
   んですね。ですから非常に似かよっているところがあるのと、それ
   でいてうらみつらみではないんですね、因幡さんの場合は。それが
   僕はいいなって思うんですね。

因幡 うんうん。

村  何か耐えていたり、もう一つ積極的に言えなくて、その人の幸せを
   思っていたり、そういったようなね…

因幡 まあでもね、正常な男性であって、それが女性言葉というフィルター
   を通して出てくるっていうことは、もしかしたら男のエゴかもしれ
   ない。まあ、恋でも何かの都合があって、それが終わりを迎えた時
   にも恨むんじゃなくて三歩さがっていつも思いを秘めていながら…
   というのは男としては都合がいいともとらえられるんじゃないかなと。

村  はは(笑)、なるほど。

因幡 そんなこと言われたこともありました。

村  それは何か因幡さんが秋田に生まれたお国柄には関係ありますか。

因幡 本当にそうだと思います。ふるさとへ感謝っていうのが本当にある
   自分の中で、もし都会で生まれていたらもしかしたら歌なんか歌え
   なかっただろうしと思いますね。
   あのー、ひとつのことをずっとテーマとして考えていられるんです
   ね。それが特にまあ現状、今これからさびしい秋になっていきます
   が、もうまことにさびしいですね。

村  秋田は、ですか?

因幡 そうです、はい。だからひとつの事をずっと考えて深く掘り下げた
   りとか、そういう思考ができる環境にあるんですね。

村  たとえば、まことにさびしいとおっしゃるけれど、具体的にいうと
   どんなことなんでしょうね。

因幡 そうですね、これは感覚でしょうけどね。

村  空の色とか?

因幡 その季節の風の冷たさとか、虫の声であったりとか、雲の形が少し
   ずつかわってくるとか、夜のおとずれが早くなったりとか、外が本
   当に漆黒になって秋を感じるというのはその向こうにある冬の怖さ
   がそろそろ近づいているぞっていう、ひとつ身構える、それは雪で
   あったりとか、厳しさが次の季節に来ているんだぞっていう。秋と
   感じられたということは少ししっかりしなきゃなっていうことがあ
   るような気がしますね。

村  ああ、それと僕はあまり体験していませんけど秋田の冬というのは
   長く感じられるものですか?

因幡 厳しいですね。

村  厳しい…

因幡 はい、厳しいですね、寒いし。風の音だって怖いし。
   変な話、命覚悟で。酒飲むにしたって。

村  ええ!命覚悟で!

因幡 沖縄だったら飲んだくれてその辺りで寝たって平気じゃないですか(笑)。
   秋田はそうはいかないですね。

村  凍死しちゃうんだ!

因幡 そうですよ。

村  え?本当に!?

因幡 何するんでも過酷ですよ。夜はちゃんと水道の水を止めてー、寝る前に
   あれとあれをやって、これで明日も朝を迎えられたり。今日も生きてい
   られるんだなと確信をしたりとか、そういうことはありますよ。

村  「わかって下さい」がヒットしてからも、しばらくは秋田にいらっしゃっ
   たそうですね。普通、すぐに東京へ出ていらっしゃったりね。その辺り
   のこだわりっていうのはどうなんですか。

因幡 とにかくすぐ帰りました。東京でもホテル住まいでしたし。

村  やはりこの東京っていう環境は何かなじめないところがあったんですか?

因幡 帰れば歌が出来るとか、一番落ち着くところであるっていう自分の心の
   安住の地であるっていうかな。時間をおかずして帰れば、だんだんと言
   葉だって戻っていくし、ふっとその頃になるというー。お国言葉で話す
   ことが一番伝わるなって確信が持てるんですよ。また出てきたりして話
   してるとちゃんと伝わっているのかな、とか、まだ補足しなきゃいけな
   いんじゃないかって気があって、すごく言葉が多くなってしまうんです
   ね。変な話ですが、秋田の言葉では「食べなさい」というのは「け」っ
   てこれだけでいいんです。

村  ほう!

因幡 「じゃいただくね」は「く」っていうんです。

村  へえー。

因幡 何かひとつの言葉の本当の微妙なアクセントで伝わっちゃうんですよ。

村  一音ずつですね。やっぱり寒いから言葉を節約するんでしょうね(笑)。

因幡 そうかもしれないですよ(笑)。


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